
2019年Yokohama Hot Rod Custom Showに出展したDucati Multistrada 1000DSカスタムです。カスタムイメージは70年代のDucati 750GT。750GTは自分が20代前半にアメリカを走り回った相棒で、楽しい思いも怖い思いも経験した、思い出深いモデルです。当時の彼女(今の妻)とタンデムでロサンゼルスからラスベガスまで旅をした時、夜遅くフリーウェイを120km/hくらいで走行中に突然リアタイヤがパンク! 恐怖で叫ぶタンデムシートの彼女に怪我をさせまいと、右へ左へと蛇行するマシンを必死にコントロールしてなんとか転倒せずに停車することができたのです。転ばなくて良かった・・・。盛大に白煙を吐くエンジンをなんとかしようと、滞在していたホテルの駐車場でヘッドを降ろしていたら、ホテルのオーナーにこっぴどく叱られたことも・・・。さて、当時まだ安価だったベベルラウンドエンジンのドゥカティは、20年以上経った今は、とても気軽に手が出せる価格ではなくなっています。そこで、安価な中古車が多く、しかもたまたま下取りで入庫したムルチストラーダが手元にありましたので、それをベースに750GTをオマージュしたアップライトで気軽に走り出せるロードスターを製作することにしたのです。しかし元々マルチパーパスモデルであるムルチを大幅にスタイルチェンジするには様々な制約があり、なかなか苦労しました。ノーマルは片持ちスイングアームに17インチキャストホイールですが、18インチの細めのスポークホイールとするためにスイングアームからワンオフ製作。リアショックは2本サスに変更しています。それに伴い、フレーム後半も全て作り直し。タンクはアルミで製作、フロントホイールも18インチスポーク化しています。エキゾーストはチタン手曲げ2in1で製作。ペイントは思い出の750GTをイメージしデザインしています。結果、車重はムルチのノーマルから40キロ近く軽量となり、アップライトなポジションと細めのラジアルタイヤの効果も相まって、とても軽快でワインディングもヒラヒラハンドリング、しかもパワフルで気負いのいらない大変楽しいバイクに仕上がりました。こちらは2019年Yokohama Hot Rod Custom Showでアワードも獲得しています。下取りした在庫車を自由にカスタムした車両ですが、これをショーで見て気に入っていただいた方に販売させていただきました。
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