
2022年Yokohama Hot Rod Custom Showに出展したルマン1000カスタムです。新旧様々なバイクを乗り継いだベテランオーナーさんが理想のバイクを作るべくオーダーいただきました。基本的なコンセプトは2018年に製作した同モデルのカスタムと同じで、ルマン1000の無類に面白いエンジンを存分に楽しめ、気負うことなく普段乗りもできるような気軽なロードスター「コンビニにも乗っていく気になるGuzzi」。基本骨格はノーマルですが、ルマン1000や1000Sのフレームはネックチューブが長く少々不恰好。それを短く加工することでトップブリッジの位置を下げ、シンプルなスタイルとしています。フレームの加工は、ネックに加えてリアのループ加工程度で、パウダーコートで仕上げてあります。タンクはフレームのラインに合わせたシンプルなデザインとしアルミ叩き出しで製作。ツーリングにも使える十分な容量を確保しています。シート、アルミフェンダー、アルミサイドカバーももちろんワンオフ。エンジン&ミッションは全バラしてオーバーホール、表面はブラスト仕上げ、ヘッドカバーは黒ペイントとしました。発電系、点火系は全て一新しハーネスも全製作。ハーネスは古いということもありますが、電装も灯火類もスイッチ類も全て変更するので、それに合わせて純正ハーネスを加工していくよりも一から作ったほうが早く、全製作することが多いのです。LED灯火類に合わせた細い配線を部分的に使うことも可能になり、シンプルでトラブルシューティングのしやすいハーネスとすることを考えて作っています。吸気はFCR、排気はチタン手曲げ2in1in2を製作し、2本のチタンメガホンサイレンサーを装着。2in1in2として2本のサイレンサーを使うことで、集合によるパワーアップと抜けの良いまま消音性能を高める、ということを両立させられます。スタイル的にも良いですね。フロントフォークはチェリアーニレプリカ。これはアウターチューブが削り出しで、内部構造も現代的、しかし外観はクラシカルというなかなか良いフォークですが、今は入手不可となっているようです。が、海外製品にありがちなのですが、買ったままでは動きやバネレート、ダンピングやイニシャルなどが適当ですので、分解して色々改善、セッティングして使用します。乗り心地と飛ばした時の操安性など満足のいくセッティングになっていると思います。操安性やハンドリングは、もちろんフォークのセッティングだけではなく、フォークオフセットや車体姿勢、リアショックやタイヤ選択も大きく関係してきます。その辺はこれまでの経験と理論的な数値から、最適と思われるセットアップに。ルマン1000のノーマルに乗ると、スタート時のふらつきやなんとなく腰高な感じ、立ちゴケしそうな不安感、低速コーナーでの切れ込みや重さ、そういった乗りづらさを感じます。それらを全て解消し、まさに「コンビニにも乗っていく気になるGuzzi」に仕上がったと思います。狙い通り、街乗りからワインディングまで軽快、安心、快適、特にワインディングでのハンドリングは寒さを忘れて夢中で走ってしまうくらい楽しい! こちらはロッドショーでcool賞をいただきました。
製作動画はこちら
Webike+の記事はこちら
Return of the Cafe Racersの記事はこちら


























