2022年に製作させていただいたLandRover Defender 110、冬はスキーに熱中するこの車両のオーナーでありアートディレクターである佐藤夏生さんと、どういう車ならスキーライフが充実するのか数多くのディスカッションを重ねて製作した車両です。後部座席を取り払い、そこにコンパクトな薪ストーブを設置、仲間とおいしいコーヒーを淹れてくつろげるスペース。屋根には大型のスキーアイテム収納BOXを設け、それはベンチにもなって屋根上でコーヒーを楽しむこともできる。単なるキャンピングカーではなく、車中泊はしない、料理はしない、スキーの途中でコーヒーを楽しめる車。ボルトオンで脱着できる無垢板の内装を製作し、各部にはベンチや小さいテーブル、収納を設けています。薪ストーブは世界最小級のものをチョイスし、遮熱板や煙突も製作。煙突はストーブを使わない時や走行時には、車両後端のラダーに簡単に収納できるように。登り降りしやすい頑丈なラダーを上がると、屋根上には大人2〜3人がくつろげるスぺースとするために、キャリアやボックスも全てこの車両用にデザインしワンオフ製作しています。初の試みも多く色々と苦労もしましたが、完成した車両は想像以上に楽しい車となりました。ちなみに、「車検取れるの?」と質問されることが多かったのですが、全て構造変更&公認を取りましたのでこのまま車検取得が可能です。また、車内で薪ストーブは一酸化中毒など大丈夫? との声もありました。薪ストーブというのは、暖炉や焚き火と違ってストーブ内で薪を燃やし、その上昇気流で強制的に煙突から外に排気する構造です。着火時や消化時以外は、車内に煙が逆流することは基本的にはありませんので、吸気のために窓を一部開けておけば大丈夫です。ストーブ設置や煙突の製作は、長年の薪ストーブ経験が役に立ちました。車内で薪ストーブ、そして屋根上でコーヒーって実際どうなのかな?と正直思っていましたが、これは体験しないと分からない楽しさ! 唯一無二の車に仕上がったと思います。

車両製作や佐藤夏生さんとの対談記事その1 その2

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